文字キー2打で漢字変換を行う意図

引き続きtsf-tutcodeの設定いじりを行っています。ここまでの整理を兼ねて、最近よくいじっている文字キー2打による漢字変換の設定をなぜ行っているか理由を説明します。
jigendaddy.hatenablog.com

理由は2つあります。まず1つは左手負荷の軽減です。現在スペースキーを使ったシフトは同手シフトで打っています。当初は抵抗があったのですが、最近は異手(逆手)シフトだとテンポが悪いような気がします。速度を意識する必要はないのですがスペースと異手シフトはしっくりこないですね。

Space+EとSpace+Fを多用するので、スペース絡みの3打だと左手でホールドする時間がどうしても長くなります。これが左手負荷の原因であると判断しました。そこで右手のみを使用した2打で変換する方法を用意しました。

もう一つは正直後付ですが、大岡さんのように上段での同手シフトをあまり使用されないと考えられる方に対して代替手段を用意しました。
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一応ユーザーが同手派であっても異手派であっても使えると思っています。私以外の方を想定した機能を実装し、説明したいのですが難しいですね。配列作成者の皆さんがいかに気を配られているかを感じます。

新下駄配列をGoogle日本語入力で使用する

アンケートに答えていただいたお礼というわけでもないのですが、新下駄配列をGoogle日本語入力ローマ字変換テーブルで使うとすればどういう設定をするか考えました。
shingete.txt - Google ドライブ

こちらのエントリを参考に作ったのですが、いくつか再現できなかった点があります。
kouy.exblog.jp

最大の違いは拗促音です。あくまで中指シフトと薬指シフトをなんとなく再現するだけにとどめました。L2に「ゅ」、L3に「ょ」、L4に「ゎ」を割り当てています。ユーザーの皆さんには心苦しいですが最上段を使ってください。

中指シフト、薬指シフトの単打位置(K,L,S,D)は実装が難しいので2連打に置きました。使用感がだいぶ変わってくるかもしれません。

上のエントリには

※[TL]は「ディ」

新下駄配列を作りました : ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく

とありますが、TLだとこれもT単打の実装が難しいのでLTに置いています。

以上です。よろしければ感想などを教えていただければと思います。

追記

拗促音の違いと単打2連打が必要な問題を修正しました。記号に関しては割愛します。
shingete_test.txt - Google ドライブ

コメントへの返信

大岡さんに悪い気もするのですが、自分語りを含めて無駄に長くなったのでこちらで返させていただきます。すみません。
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>正確性が上がると無意識でも誤打しなくなるものでしょうか

結論から言うと、無意識でコピー打鍵をしたことがないのでわかりません。

私のタイピング感覚は、車の運転が一番近いかもしれません。免許取り立てでどこに注意を向けるべきかわからず、集中できていない以前にどう気をやればいいかわからず無駄な負荷がかかっている。tsf-tutcodeは他のIMEと比較して考えなければいけない点が多いのを差し引いても、とても褒められた状態ではありません。

大岡さんのように無駄な力を入れないフォームこそ長時間のタイピングで求められる技術だと思います。この動画のようにいかに力を抜くか、毎日試行錯誤しています。
https://www.youtube.com/watch?v=BwoBpXT0Y-U

タイプウェルに関しては、練習の積み重ね以外の何者でもありません。打ち切り回数だけならJISかなと合わせれば1万回以上打ち切っています。幸いにしてミス制限で勝手に中断してくれますから、打ち切るまで繰り返せば打ち切れます。

出題されるワードの傾向が読めれば指の動きは(なんとなくですが)体で覚えられます。タイプウェル以外で特に有意義であるとは思えませんが、もしこれを指して無意識と表現するのであれば瞬間的には誤打がないと強弁は可能かもしれません。

大岡さんのように長時間かつ漢字変換を必要とする打ち方が前提ならこのトレーニングは不要です。むしろやるべきではありません。入力オペレーター時代はウォーミングアップとしてやるよう指示されていましたが、それならTypeRacerの日本語版が適していたはずです。
https://play.typeracer.com/?universe=lang_ja

>どうしても疲れてくると、
楽な指を使ったり、楽なキーのほうを無意識に打とうとして誤打が増えるようです。

よくわかります。そういう事ありますよね。

>それはわかってるのでBSや再変換系をいい位置に置いてるんですが、
3万字くらい書くと最初から誤打しないほうが楽だなと思い始めています。

昔上司に後からミスを探すのは時間の無駄と言われました。例えるなら自分の部屋で鍵やサイフを探すようなものですね。防止するにはベテランドライバーのように余裕を持って進むしかないというのが現状です。

アンケートの感想

突然の申し出にも関わらず、協力していただいた皆さん本当にありがとうございました。おかげで興味深いデータが取れました。
jigendaddy.hatenablog.com

流れとしては、大岡さんのブログで配列の脱落率に関する話題が出ていました。
oookaworks.seesaa.net
そこで新下駄、薙刀式それぞれの脱落率が気になって4択アンケートを出題しました。


その上でもっと踏み込んだ話が聞きたくなって、Googleフォーム側を作成しました。
収集の方法は配列沼ビンゴで新下駄か薙刀式にチェックのある方や、自作配列に関連するツイートをされている方へ直接リプライでお願いしました。そもそも配列沼ビンゴを作られたのはkouyさんですから薙刀式にとっては不利な条件だったかもしれません。

今後の課題としては、脱落者の方へ届けることができなかった点が一番大きいです。Twitterで情報発信をしている時点で現状ユーザーの可能性が高いと考えられますから、もっと別の方法を考える必要がありそうです。

また想像していた以上に自分でカスタマイズして使われている方が多く、事前に想定した設問ができなかったのも問題です。個人的には応援したいので嬉しい誤算とも言えます。

お互い脱落率の低さには正直驚きました。流石にどちらも優れた配列であると思います。

薙刀式の使用を中止された理由に「連続シフト中、同手でシフトと下段を押すタイミングがあり手への負担が大きい」と書かれているのを見かけて下段の使い方を見直すいい機会になりました。

「長時間の創作用途で使いたいため、薙刀の設計思想には大変惹かれる。親指を使わない形で長時間用コンセプトの配列があればそれが理想型と思う。」と書かれていた方もいました。作成が難しいとは思いますがそんな配列があればぜひ使ってみたいですね。

もっと細かいデータが知りたい方は遠慮なくおっしゃってください。特に大岡さんとkouyさんから要望があれば答えられる範囲で最大限お答えします。

アンケートの結果



Googleフォーム側の結果を発表します。現在10名の方からご回答頂きました。ありがとうございます。何なら作成者のお二人とお会いする機会があれば一つ一つ紙に印刷して渡したいくらいですが、話が長くなりそうなのでひとまず概要を発表するだけにします。

Q1.薙刀式または新下駄配列を触った経験がありますか?

両方とも経験がある 30%(3人)
薙刀式のみ経験がある 10%(1人)
新下駄配列のみ経験がある 60%(6人)

Q2.Q1で「両方とも経験がある」と答えられた方に伺います。今現在もどちらかの配列を使用されていますか?

今は薙刀式を使用している 25%(1人)
今は新下駄配列を使用している 75%(3人)
*1

Q3.Q1で「薙刀式のみ経験がある」と答えられた方に伺います。今現在も薙刀式を使用されていますか?

現在も使用している 100%(1人)

Q4.Q1で「新下駄配列のみ経験がある」と答えられた方に伺います。今現在も新下駄配列を使用されていますか?

現在も使用している 100%(6人)

Q5.薙刀式を現在は使用されていない方に伺います。使用を中止されたのに思い当たる理由を以下のいずれから選んでください(複数選択可能です)

親指をシフトに使う配列全般があっていなかった 1件
連続シフト中、同手でシフトと下段を押すタイミングがあり手への負担が大きい 1件

Q6.新下駄配列を現在は使用されていない方に伺います。使用を中止されたのに思い当たる理由を以下のいずれから選んでください(複数選択可能です)

配列図を覚えられない 1件
長時間の打鍵が難しい 1件
指が咄嗟に動かなかった 1件

Q 7. 薙刀式を現在使用されている方に伺います。使用されている理由を以下のいずれから選んでください(複数選択可能です)

配列図が覚えやすい 1件
長時間の打鍵でも指が疲れにくい 1件

Q8.新下駄配列を現在使用されている方に伺います。使用されている理由を以下のいずれから選んでください(複数選択可能です)

使用環境の整備が楽 2件
速度を上げても指が疲れにくい 5件
タイピングゲームでスコアが出しやすい 1件
タイピングしていて気持ちがいい 1件
アルペジオが快感 1件

「ご協力ありがとうございました。」の欄に書き込んでくださった方がお一人いらっしゃいましたので紹介しておきます。

長時間の創作用途で使いたいため、薙刀の設計思想には大変惹かれる。親指を使わない形で長時間用コンセプトの配列があればそれが理想型と思う。新下駄にもかなり満足しているため、新下駄の私家カスタマイズを実用している。

*2

*1:Q1で「両方とも経験がある」は3名が答えられているのですから、1人多い計算です。お一人Q1で「新下駄配列のみ経験がある」と回答された方の中にここで「今は新下駄配列を使用している」と答えられた方がいらっしゃいました。エスケープ用の選択肢を用意しなかった私の出題ミスです。すみませんでした。

*2:Q5で「親指をシフトに使う配列全般があっていなかった」と答えてくださった方でした。

アンケート

Twitterでアンケートを取っています。ご協力いただけるとありがたいです。

追記

お手数ですがこちらも合わせてご回答いただけると嬉しいです

IMEオンオフ操作の改善案

tsf-tutcode使用時の設定を引き続き弄っています。疲労軽減を目当てに打鍵範囲を狭くした分打鍵数は増えていますが、安定感を最優先事項として求めるのであれば悪くない気がしています。
jigendaddy.hatenablog.com

oookaworks.seesaa.net
上のエントリを読むまですっかり忘れていたのですが、最近はIMEオンオフ操作を変換・無変換キー任せにしていました。もしキーボードにこれらのキーが存在しない場合の対策を書いておきます。あくまでtsf-tutcodeを前提にした話ですから注意してください。

少し悩んだのですが、Spaceキーの連打(2度押し)を使ってはどうでしょうか。

#include ime.ahk
#If IME_GET()
Space & u::IME_SET(0)
Space & g::Send,{F13}{F13}
#If
#If ! IME_GET()
Space::
	KeyWait,Space,T0.3
	If(ErrorLevel)
	{
		send, {Space}
		KeyWait,Space
		Return
	}
	KeyWait,Space,D T0.2
	If(ErrorLevel)
	{
		send, {Space}
		KeyWait,Space
		Return
	}
	IME_SET(1)
	KeyWait,Space
	Return
#If

IMEオフをSpace+Uに、IMEオンをSpaceの2連打に配置しています。全角オフはIMEオンと同じ変換キーで打っていますがこれだと動かないのでSpace+Gに置きました。

Google日本語入力MS-IMEではうまく機能しませんでしたが、tsf-tutcodeの動作は確認できたのでいいとします。

追記

FV同時押しでIMEオフ、JN同時押しでIMEオンに設定しました。難しいと思っていましたがやってみるものですね。全角モードでは機能しないので注意してください。
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